小説

「結物語」西尾維新から考える「最善を尽くしているけれど、全力を尽くしていない」ということ

学生生活のおわり、社会人生活のはじまり。

終わりと始まりはどうしたって一緒にやってくるものですが、今回はそんな「終わって」しまった彼らの、また新たに「始まる」物語。

「結物語」西尾維新

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内容紹介
「私は何も知りませんよ。あなたが知っているんです――阿良々木警部補」
怪異譚となる前の“風説”を取り締まる、直江津署風説課で働きはじめた警察官・阿良々木暦。
町を離れた、ひたぎと翼。
二十三歳になった三人が選ぶ道と、暦が最後に伝える想いとは……?
知れば知るほど、知らないことが増えていく――これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!

永遠に、この恋心はほどけない。

西尾維新「結物語

今回の主役は戦場ヶ原さん…… のようなそうでもないような。笑
でも最後は持っていくので戦場ヶ原さんで良いと思います !!

新しいメンバーとともに「おわりはじまる」彼らの物語です。

大人になった主人公たち

今回の「結物語」を読み、今までの〈物語〉シリーズで主に行われていた、怪異譚の問題を解決していくという流れに原点回帰しているのかなという印象を受けました。そして、ここからまた「終わりはじまる物語」なのかなと。

ファーストシーズン、セカンドシーズン、ファイナルシーズという〈物語〉シリーズがひと段落終わり、主人公たちにも、いろんな「時間と変化」があった。でも、やっぱりどこがで縁は繋がっている。

そういう「結び」も表現されているのかなとも感じました。

構成は短編4話で各70ページほどでサクサク読めます ^^
そして、各話にそれぞれに新しいキャラクターが出てきます。新しい怪異と一緒に。

正直、もっと掘り下げて欲しいという気持ちは正直ありますが、このボリュームでも十分楽しく読めました。大人になった戦場ヶ原さんや羽川さん、かわいい後輩の「あの子」も出てきます。あと絶縁してる「あの人」も。笑

各話についてお話しすると完全にネタバレになりますので、避けます。
ぜひ、ご自身の目でお楽しみください ^^

「最善を尽くしているけれど、全力を尽くしていない」
そう感じたことってありませんか

今回のテーマとして「大人ってそういうもので、あのころとは変わってしまったけれど、変わらないことってあるよね」という気持ちを代弁してくれている気がしました。
一番印象に残っているのが阿良々木くんが上司の言葉に返した言葉。

研修終了とともに、直江津署に残留するかキャリアとして出世を希望するかを問われているんです。そしてこう告げます。「やって後悔するよりも、やらずに後悔するほうを選んでもいいんだよ?」だって。なんて上司だ。笑

「後悔しないためにやるんですよ。僕が今、恵まれているのに物足りないみたいな、すっきりしない気分になっている理由は……、昔の自分に後ろめたいみたいな気分になっている理由は、成功したからでも勝ち組になったからでもありません。全開で生きてないからなんです最善を尽くしているけれど、全力を尽くしていないからなんです。成長したけれど、成長しようとしていないから。」

結物語」阿良々木暦

そして、言い切ります。

「楽に生きなくてもいいんでしょう? 必死に生きてもいいんでしょう?」と。
これは、非常に気持ち良かったです。

「このくらいでいいか」は甘えなのか、諦めなのか

私も経験があります。

やり切ったと思って、振り返ると確かに実績もあって成長もできていて。でもそこで、踏みとどまってしまったんですね。「このくらいでいいか」と思ってしまった
まだ頑張れるのに、手抜きしようとしてしまった。だから、自分でもわからないうちに、もやもやしてしまっていたんですね。

頑張っている人を見て焦って、自分はこれでいいんだろうかと悩む。だけど行動にはうつせなくて、ただの動けない人になってしまう。それでは成長はありませんよね。でもそれって、結構誰にでも、一度は必ず当てはまるんではないでしょうか。

何かを必死に頑張ったことのある人」ならば。

本気で何かに打ち込んで頑張って、悩んで試行錯誤して、その後にうんと成長して。
でもそのあとに、ぽっかり穴が開いたような虚無感を味わったことがある人には、この言葉の真の意味が理解できるのではないかなと思います。

自分にもこんなことがあったなと、懐かしく思う反面。でも、今、こうやって振り返られているということは、少しはあのときよりも成長していて、そして、これからも成長していけるのではないかなと考えちゃいますね。

この阿良々木暦くんの言葉はとても心にグサッとくるものがありました。

最後の最後の5行のための物語

そして、最後の後日談。というか、本事案のオチ。
もう、最高でした。笑

戦場ヶ原さん、可愛すぎる。やっぱり阿良々木くんの一手先を行くんですね。
さすが、阿良々木くんの彼女なだけあります。

そして、この最後の5行。なんだか、泣きそうになりました。
それでこそ〈物語〉シリーズだし、奇跡のような思い出ですよね。
控えめに言って、ほんと最高でした。

何のことかさっぱりだとは思いますが(笑)
ぜひみなさん、読んでみてください ^^

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〈物語〉シリーズを読んだことのない方へ

〈物語〉シリーズを読んだことのない人は、ぜひこのタイミングで、「化物語(上)」から読んでみてください。1巻からぜひ。笑

「この巻からでも〜」とかゆるいことは言えません。あの物語からの経緯がないと、この感動は味わえません。笑
読んだらもう、みなさんの中に、新ジャンル「西尾維新」の誕生です。

変態みたいなことばっかりしている阿良々木くんですが、そんな彼が語る思いに、何か心に響くものがあると思います。

アニメ「終物語」も始まります

〈物語〉シリーズの完結編「終物語」がこの夏、アニメ化されます。
興味のない方も、好きになるきっかけになればうれしいです。

西尾維新ファンになりますよーー!
もう超テンションあがりましたー! わーい! 笑

ちなみにこちらは総集編です。

私的にはこちらの方が好みです。
全ての物語がうまく編集されていて、まさに「おわりに向かっている」ような気がとても良いと感じました ^^

また、西尾維新さんの作品は、ほとんど全作電子書籍化されているので、この機会に電子書籍を取り入れてみてはいかがでしょうか ^^

それでは、本日はこのへんで。
お付き合いいただきまして有難うございました ^^

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